1999年4月15日木曜日

〇夢はいかが(1999年04月15日)

 〇夢はいかが(1999年04月15日) 


 最近話題のインド映画は、日本人にとっても「即効性のあるドリンク剤」だそうだ。映画「アンジャリ」(17日から東京・キネカ大森で公開)を見て、妙に楽しくなった。あっさりとインドの魔術にひっかかったらしい。

 知的障害と虚弱体質の幼女、アンジャリにできるのは、輝くような笑顔を見せることだけ。だけど、その無垢(むく)な魂の力は次々と奇跡を生む。「アンジャリ」とは神に祈る合掌を指す言葉で、社会的差別をテーマにした映画ながらも娯楽的要素がてんこ盛りだ。

 「ウエスト・サイド物語」ばりの群舞、「E・T・」の名場面などを引用し、そのアッケラカンぶりに驚き、愉快になってしまう。スクリーンに向かって懸命に拍手した日本映画のあの良き時代を懐かしく思い出し、インドの“熱気”にいつしか感動させられた。不況とはいえ、はるかに豊かなはずなのに精神的な閉塞(へいそく)感はインドとそんなに変わらないのだろうか。

 銀座シネパトスでもインド映画「ヤジャマン 踊るマハラジャ2」を同時期に上映し、両館をハシゴすれば割引サービスもある。最寄りの有楽町駅と大森駅をつなぐJR京浜東北線に乗れば、格安なインド映画ツアーができる。GW(黄金週間)には仮想の“日本脱出”で、ひとときの夢を見てはいかが。アンジャリ!


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