1997年6月13日金曜日

〇環境食(1997年06月13日)

 〇環境食(1997年06月13日) 


 “ジャワ納豆”ともいわれるインドネシアの発酵大豆食品「テンペ」に関する国際会議が来月中旬にバリ島で開かれる。「まだ納豆に関心があれば、参加しませんか」と常磐大学教授、加藤清昭さんから誘われた。もう7年前になるが、納豆のルーツを追ってアジアを旅したことがあるからだ。

 テンペは、ハイビスカスなどの葉の裏にいるカビの一種で大豆を発酵させる庶民的な食品だ。ヤシ油で揚げると淡泊で、「大豆のカマンベールチーズ」のような味が懐かしい。

 さらに植物性タンパクとはいえ、ビタミンB12(抗悪性貧血因子)を含み、「肉に代わる副食として最適」と菜食主義者の関心は高い。テンペは病原性大腸菌O157の増殖を抑える抗菌作用を持つとか、緑黄色野菜プラス大豆食品が前立腺がんや乳がん、大腸がんの予防に有効、との報告もある。

 いまや欧米型肉食文明の代表「ハンバーガー」が世界を制覇しつつあるが、「地球環境と食の問題を考えると、大豆をまるごと食べる納豆が見直される。納豆は地球を救うのです」という加藤さん。

会議には行けないが、地球環境のために納豆を食べる“環境食”をしばらく続けよう。