2006年2月24日金曜日

〇春の課題(2006年02月24日)

 


〇春の課題(2006年02月24日) 

 

 「早稲田大学の大学院(法学)博士課程を受験します」。中央アジアのシルクロード沿いにあるキルギス共和国のK君(28)から先月初め、連絡があった。

 6年前、キルギスで日本語の通訳をしてくれた学生だ。ドイツの大学で修士課程を修め、あこがれの日本にいよいよ留学する。その受験のために1カ月間、宿泊させてほしいというのだ。だが、私がいる関西から東京まで往復するのは大変。つてをたどり、運よく大学近くの知人のマンションを格安で借りることができた。

 来日したK君は繰り返し問いかける。「どうして日本ではみんなバラバラなんですか?」。社会主義教育を受け、イスラム教徒の彼に、家主も戸惑っているのではないか。そう思っていたら、家主に「うちの家族はトルコなど海外によく旅行しているので、比較的寛容ですよ」といわれ、ほっ。

 「合格しました。あす、いったん帰国します」と先日、K君が喜んで報告してきた。さあ、これから彼に日本をどう理解させられるのか。それが春からの私のちょっとした課題だ。