〇遠い記憶(2006年03月29日)
いつのころからか、歴史年表を見るのが好きになった。偶然、目にとまった日から世界が広がっていく。1960(昭和35)年のきょう3月29日の午後5時ごろ、総資本対総労働の闘いといわれた三池争議で、熊本県荒尾市の四山鉱前でピケ中の三池労組員、久保清さんが暴力団に刺殺された。
46年前、私は小学5年生で、小学校区内の現場はよく通っていたところだ。大人たちの激しい争いについては何も分からず、ぼうぜんと見ていただけだが、事件は遠い記憶の底に刻まれている。
炭鉱社宅内に建てられた久保さんの「殉難乃碑」を帰郷の際、何度か訪ねた。その後、碑は社宅撤去で殺害現場近くに引っ越し、労組の解散で解体寸前になった。
最終的に2年前、碑は市内の遊園地、三井グリーンランド近くのお寺に落ち着いた。お寺は「いろんな人が碑を訪ねて来られます。炭鉱で栄えた町ですし、引き受けてよかったです」という。
炭鉱が閉山してあすで9年になる。桜が咲き、遊園地からの歓声を聞き、久保さんの霊はどんな思いでいるだろうか。
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