2006年4月27日木曜日

〇健康むら(2006年04月27日)

 〇健康むら(2006年04月27日) 

 

 「地域の活性化よりも、鎮静化こそが必要です」

 過疎化、高齢化が進む各地域で呪文のように「活性化」が叫ばれている中、島根県雲南市の佐藤忠吉さん(86)がそう言い続けて久しい。時代に先駆けて有機農業や低温殺菌牛乳づくりを始め、農業、商工や消費者を含めた地産地消や地域自給圏づくりなどにも地道に取り組んできた。

 「経済面だけで活性化しようとしても、こっちの村が良くなれば、隣の村がだめになる。住民のいのちや環境を守り、地域で生きる意欲を育てていきたい」

 佐藤さんのような地域づくりを考える人たちが集う「全国健康むら21ネット」発足記念集会が30日、大阪市中央区のアピオ大阪で開かれる。超少食健康法を提唱する甲田光雄医師(大阪)の基調講演や「農協の自給共生運動」「少食の経済学」などをめぐる多彩な報告が楽しみだ。

 鎮静化とは、今風にいえば「スローに」ということだろう。カンフル剤の注入という応急措置ではなく、「地域の健康」をじっくりと考えるときだ。